秋の夜長



夏をすっとばしてしまった



秋の夜長

逢えなくなってしまった人に

想いを馳せる


















忘れられない

遠い遠い思い出

あの京での出来事


井戸に響く秋の虫の声

枯草に降りた霜


君のいない世界は

色の無い寒々しい世界

薄暗い灯りの下

情熱の残り火を心に

独りで生きる

もう心は晴れることがない

消えることのない思いを抱く


御簾をあげ

「月」を望んだ己に

溜息をひとつ


花のような美しき彼の人は

とおい空の雲の向こう

月の世界

上は青い青い空

下は蒼い蒼い海

天への路は遥かに遠く

魂魄の存在になろうが

辿り着ける距離ではない


夢路にて一目だけでもと


しかし

頑丈な関のある山が

逢瀬の邪魔をする


夢路にさえも君とは会えない


忘れられない


孤独の心は

もう心は千々に砕かれ

傷だらけだ




李白 長相思





0件のコメント

最新記事

すべて表示

河津桜

女の正月